エンタメ日記(2023.5.8〜5.21)
5月8日(月)
GWはずっと風邪をひいて寝込んでいた。この日までには回復したかった。なぜならスカートと街裏ぴんくのツーマンがあるから。どちらも大好き。
シンガーソングライターと漫談家のツーマンライブとは一体何をやるのか、とは思っていた。まったく芸の性質が違うから、弾き語りと漫談を交互にやるだけだろうなと思っていたら、しっかり“ツーマンライブ”だった。
ふたりでこのライブの打ち合わせをしているテイのトークが繰り広げられ、合間に弾き語りや漫談が披露される。ふたりの理想を話し合ってそれぞれが披露していくかたちで、共通テーマのパフォーマンスをしたり、リクエストをし合ったり、コラボレーションしたりして、とても豊かな時間だった。
5月14日(日)
「お笑いガチクイズ」に参加するため、横浜のネイキッドロフトへ。以前からツイッターで過去の「芸能バカクイズ」や「お笑いガチクイズ」を見ていて、いつか参加したいなと思っていたから、回答者チケットを買えて緊張とワクワクでいっぱいだった。どれくらい答えられるだろうか。
そもそもトークイベントなどもほとんど登壇したことがないから、舞台に上がるのがひさしぶりだし、フリップ(ホワイトボード)に記入して答えるなんて、それ自体に緊張する。でも答え始めたらそんな気持ちは一瞬で吹っ飛んで、舞台に上がって何かをするってやっぱり楽しいなと、その気持ちでいっぱいになった。クイズは少ししか正解できなかったけど。同じブロックの人たちみんなで、真空ジェシカ川北さんのツイッタープロフィールを正解できたのは嬉しかった。
そもそもまず、お笑いが大好きな人たちが一堂に会して、ガヤを入れつつ爆笑しながらお笑いクイズに答えていく空間に幸福感が詰まりすぎている。とにかくお酒が進んだ。しかし舞台に上がる前にお酒を飲むのは良くなかった。記憶を呼び起こしにくくなったので。また舞台に上がるようなことをやりたい。
5月17日(水)
劇団た組『綿子はもつれる』を観劇しに、池袋の東京芸術劇場へ。地下1階へ行こうとしたら、2階のポスターが目に入った。空気階段単独ライブ。それ、金曜に行きます。
劇団た組の舞台はいつも、とにかく人の気持ちをかき乱す演出や演技が散りばめられていて、観たあと絶対にしんどくなるのだけど、今回もそうだった。でも今回はコミカルで笑える演技やシーンも多くて、珍しくポップに描かれているなと思った。そのせいで綿子とそれ以外の人々との関係性が「もつれ」ていることが浮き彫りになるのかもしれない。
今回も平原テツさんの演技で気持ちが大きくザワザワした。いつもそう。安達祐実さんの可憐で厄介な演技も非常に良かった。いろんな人の演技で、いろんな感情で胸がギュッとなった。
5月18日(木)
ダウ90000『また点滅に戻るだけ』を観劇しに下北沢の本多劇場へ。事前に友達と連絡を取り合っていて気づいたけど、男女4:4の8人で観に行ったので、ダウ90000と同じになってしまった。恥ずかしい。
これまでのダウ90000の演劇公演の中で一番舞台美術が大きくて派手で、劇場に入った瞬間からワクワクした。内容は全体的に“地元コミュニティあるある”をテーマに繰り広げられ、ダウ90000ならではの、狭く鋭く面白い会話劇が今回も良かった。いつも以上に、おそらく多くの人が解像度高く楽しめる内容だったと思う。
今までの演劇公演でも会話の中に“あるある”はあったけど、今回の内容は多くの人に身近だから丸ごと共感しやすそう。共感ばかりがエンタメの魅力ではないけれど、ダウの場合は共感を笑いどころとして置くことが多いから、共感ポイントの多さはわかりやすく作用しそう。
演劇公演は第2回から観ているけれど、第3回は舞台美術を組み込んだ展開が面白かったし、第4回は舞台上でめちゃくちゃダラダラ食事をしまくってるのが良かった。大抵、変な動きを担当するのは忽那さんか園田さんだけど(毎回当て書きだからキャラクターは近しいものになる)、第5回は特に園田さんの変な動きが目立って笑えたし、どんどん園田さんのスター性が高まっていて、勝手に嬉しい気持ちになってしまった。他のメンバーについても、「この人はこういう人だよね」がはっきりと確立された感じがあって、「蓮見翔率いる」では最早ないのだなと感じた。
5月19日(金)
一昨日ぶりに東京芸術劇場へ。空気階段第6回単独公演『無修正』を観に行った。前回『fart』はチケットが取れず、今回はチケットが取れて良かったなと思ったけど、どうやら総動員数2万人の全国ツアーらしい。あまり知らずに取っていた。2万人なんて、すごいことだなあ。
何が「無修正」なんだろうと思って観に行ったけど、確かに無修正だった。終演後に空気階段のふたりが「配信やDVDでは修正版になってしまう可能性がある」と言っていた。この内容だとそりゃあそうだろうな。無修正箇所、どれも面白いから、できるだけカットされないといいな。
空気階段の単独公演は、かもめんたるの単独ライブ『メマトイとユスリカ』の影響を受けていて、それは公演最後のコントがそれまでの伏線を回収していくところにあって、今回もそのかたちを取っていた。内容はネタバレしないけど、少なくとも私は泣いてしまった(回収に、というよりも最後のコントがとても良かった)。ところが、一緒に行った友達から「笑うのはわかるけど、泣く要素なんてどこにあった?」と言われてしまった。あんなに感動的だったのになあ。
5月20日(土)
「デザインフェスタ」で買い物をするために東京ビッグサイトへ。私はこの、年に二度開催されるデザインフェスタで、主にぬいぐるみを買う。ふわふわで小さくて愛らしいぬいぐるみを買い集めるのが大好きで、疲れたらふわふわを眺めたり触ったりしている。
今回も事前に情報を集めておいて、ひとつずつブースを回っていった。とはいえ会場が広い。ビッグサイトの西館と南館を丸ごと使うので、とにかく歩く。そもそも出店ブース数が約6500もあるのだ。
ふわふわで小さなぬいぐるみや、ギラギラのピアス、般若の顔が付いた指輪など、お目当てのものは3分の2くらい買えたけれど、ブースが広い会場の中で散らばっているので、とにかく歩いて歩いて歩いた。在庫数や、次の予定の兼ね合いで、購入が間に合わないものもあった。毎回後悔しては忘れてしまうけど、優先順位をつけて、丸一日デザフェス以外の予定を入れずに回らないとダメだ。
東京ビッグサイトから三軒茶屋へ帰り、夕方から髪を染めて切っていたら『THE SECOND』の開始に間に合わなかった。自宅に着く時間に合わせてピザを注文。テンションが上がりすぎて頼みすぎてしまい、丸々1枚余ってしまった。
『THE SECOND』自体はあまりにも良すぎて、個人的にはマシンガンズが刺さりすぎてしまい、腹がちぎれるほど笑い、同時に泣きながら観た。泣きながらピザを食べた。ギャロップに敗れてしまったけど、間違いなくマシンガンズは私のヒーローになった。
選考会の現地参加からこの大会をほぼ全て観てきた私は、その目で見て感じてきたことを頼りに、囲碁将棋とマシンガンズをずっと応援してきた。囲碁将棋ももちろん格好良かったけど、マシンガンズに関してはいろいろと、自分と重ねてしまうところがある。この大会でのびのびと楽しそうに漫才をするマシンガンズのおふたりを見て、こちらが応援されたような気持ちになってしまった。本当にありがとう、マシンガンズ。大好きだ。これからはライブに足を運びます。
5月21日(日)
文学フリマが開催されている東京流通センターへ。友達の短歌集の売り子をする約束をしているので、それまでに買い物を済まさなければならない。デザフェスほどの規模ではないけれど、こちらもなかなか広く、人が多い。
デザフェス同様、買いたいものをリストにしておいた。ひとつずつ回っていく。私はエッセイや評論をメインに買うので、デザフェスよりも絞ってブースを見る。本を買うのも目的だけど、文フリは同業者がたくさん集まるので、一度にたくさんの友達に会えるのがとても嬉しい。友達のブースをいくつも回って、再会に喜び、たくさんの素敵な本を買った。買いすぎた。嬉しく楽しい重みが腕にずしりと感じられた。とても充実した時間だった。
しかし前回の文フリで買った本も、先月の日記祭で買った本も、もちろん書店で購入した本も読み切れていないので、時間を作ってしっかり全部読まないと(読みたい)という気持ち。それも含めて嬉しくて楽しい時間だな。
友達のブースを回るたびに、「あなたは出店しているの?」と聞かれて、そうだよなと思った。私も書きたい。商業的に文章に関わりすぎているから、そろそろ自分の書きたいことや作りたいものに取り組んでいこう。
日記(4月5週目)
4月27日(木)
ひさしぶりに所属会社のオフィスへ出社した。現在の私はフリーランス専業ではなく、1日8時間、週5日働く会社員もやっている。たまに中抜けをしたり有給休暇を使ったりして、フリーランスの仕事もしている状況。
会社員ではあるものの出社義務がないため、基本的には在宅勤務。しかし会社でも編集者をしているため、取材や対面での打ち合わせがあるときは出社をする。会社では基本的にチーム仕事だし、最近は出社をしている人も多いので、会社に行くとチャットの返事を待つような時間がなく質問がすぐ解決するのは良い(でも出不精なので行かない)。
ひさしぶりに会った人から「そのTシャツどこのですか?」と聞かれたのだが、それは『爆笑問題カーボーイ』の「ザ・ガール」Tシャツである。聞いてくれてありがとう。
夫が出張中なので、夜は行きつけの飲み屋へ。知っている顔が多かったので楽しくなってたくさん酒を飲む。帰り道に芸人バーに寄ってまた酒を飲む。ちょうど店のテレビで『アメトーーク!』チャンス大城芸人を流していた。番組で紹介されて「誰だよ」と言われていたギブ↑大久保さんも店にいた。名前が登場してなんだか嬉しそうにしていた。
4月29日(土)
夜、楽しみにしていた飲み会へ。日中にちゃんと食事をできなかったので、空きっ腹に酒。ひさしぶりにべろべろに酔っ払ってしまった。数年ぶりにすべてを完全リバースするほど酔ってしまった。本当に良くない。もう30代も中盤なのに。
泥酔をすると暑苦しいことを熱弁し出すという、厄介な酒癖を持っている。普段は人見知りだが、酒を飲めば誰とでも会話ができるので、その厄介な酒癖が全方面に発揮されてしまう。
しっかり記憶も残るタイプなので、泥酔した翌日は毎度「もう泥酔をしないぞ」と誓いながら恥ずかしさで枕に顔をうずめるのだが、結局気がつけば泥酔している。ずっと恥ずかしい。でもやっぱり好きな人たちと飲む酒はうまい。
4月30日(日)
『THE SECOND』16→8ノックアウトステージ2日目の前説が最推しダイタクであることはわかっていたので、外出予定を入れなかった。19:20の配信開始に待機。なんだかいつもよりテンションの高いダイタクを見られて嬉しかった。
対戦はタイムマシーン3号vs金属バット、かもめんたるvs囲碁将棋、三日月マンハッタンvsテンダラー、マシンガンズvsランジャタイ。ここまで来ると全員、本当に度肝を抜かれるほど面白い。
かもめんたるはう大さんが槙尾さんを説き伏せていく漫才スタイルがじわじわと面白いのだけれど、今回まさかの規定時間50秒オーバーということで20点もの減点に。しかしそもそも囲碁将棋の点数が、減点がなくても上回っていたというのはある。囲碁将棋は、今回あまりに仕上がり過ぎている。選考会で初戦の漫才を見たのだけど、正直その時点で「この大会で囲碁将棋が優勝することはもう確定しているのでは?」と思うくらいに仕上がっていたし、それをノックアウトステージでどんどん上回ってくるので、正直もう囲碁将棋の勢いを誰にも止めることはできないと思う。
テンダラーという圧倒的強者を前にした三日月マンハッタンの大健闘も最高だったけれど、やっぱり一番胸が熱くなったのはマシンガンズ。初戦からずっと本人たち自身が勝ち上がる想定をしておらず、16→8でも、ランジャタイと当たるなんてここで終わりだというようなことを言いながらやっていたのだが、そのヤケクソ感がどうしても芸風にプラスの作用をするので、ヤケクソマシンガンズ漫才は最高になっていまう。
会場100人の審査で、3点(とても面白い)2点(面白い)1点(つまらない)の配点。マシンガンズは、1点が2人、2点が7人、3点が91人で289点という驚異的な数字を叩き出し、思わず画面の前で拍手してしまった。最高だよマシンガンズ。最終決戦が囲碁将棋vsマシンガンズとかになったら私は燃え尽きてしまうかもしれない。
日記(4月4週目)
4月19日(水)
今日は昼から、楽しみにしていた取材があった。ライターとしてお声がけいただいた仕事。お昼ごろ渋谷へ。1週間ぶりくらいに外に出たら、厚手の長袖ではとても暑くて、現場に汗だくで到着してしまった。待ち時間に、フリーランス事情や最近のトレンドなどの話をした。取材が始まってからも汗だくなのは嫌だったので、待っているうちに汗が引いてよかった。
なんだかんだでお昼を食べ損ねてしまったので、ヒカリエの地下でちょっと高いおにぎりを買った。マヨネーズは苦手だが、コンビニのツナマヨおにぎりの美味しさが刺さったタイプの人間なので、ここでもツナマヨを買う。
しかしツナマヨおにぎりというのは、結局コンビニが(私の中では)最高峰なのではと思っている。素材にこだわった手作りツナマヨおにぎりを売っているお店でいくつか試してみたのだが、どうしてもコンビニの満足感を超えてこない。ツナマヨにこだわり過ぎてもよくないのか、それとも海苔がパリパリのほうがいいのだろうか? もしかするとコンビニ以上に刺さるツナマヨおにぎりがあるかもしれないので、諦めずに探し続けたい。
夜は、5月26日〜28日に開催されるフェス「森、道、市場」のお笑いステージチケットを買うために待機していた。もう何年も毎年足を運んでいるが、お笑いステージは同フェスで今までになかったイベントなので、楽しみ。ラインナップは、ヨネダ2000、天竺鼠・川原、Aマッソ、金属バット。前2組は平日のステージでそもそも行くのが難しいので、Aマッソと金属バットを狙っていた。しかし金属バットは開始3分で200枚が完売。待機していたくせに一瞬で遅れたので、間に合わなかった。金属バットのトークをまわす柿次郎さんを観たかった。Aマッソのチケットは取れたので、楽しみだ。
しかしその前に、5月14日に開催される「お笑いガチクイズ」のクイズ参加チケットを買ってしまったので、今から怯えている。過去の問題を見てもほとんどわからないから、楽しめればいいかくらいの気持ちでいよう。
4月23日(日)
とにかく憂鬱だった。前日に深夜まで『魔改造の夜』扇風機50メートル走を夢中になって観ていたので、寝不足でもあった。SNSを見ればこの週末はみんなどこかへ出かけていて楽しそうで、まるで自分だけ自由を奪われているような気がした。単に自分が疲れて動けなくなっているだけなのだが。
本当はラフォーレ原宿へ服を買いに行って、日比谷公園でニッポン放送ラジオパークを満喫するつもりだった。大好きな『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』と『あののオールナイトニッポン0(ZERO)』の実質コラボトークライブがあったから。結局起き上がれなくて、U-NEXTに登録してライブ配信で観た。ありがとうU-NEXT。ふたりのトークは、こんなことを話してほしいなと思っていたことをたくさん話してくれて、あのちゃんのキレと佐久間さんの進行力が抜群で、最高だった。
夜は、なんとか起き上がって選挙へ。私は夏休みの宿題を始業式にやっていたような人間で、それは今も変わらないので、選挙もギリギリに駆け込む。夜の学校で、紙を渡して紙をもらって書いて投票して、紙を渡して紙をもらって書いて投票。あの流れがわりと好きだ。誰に投票するか考える以外に何も考えなくていい仕組みが素晴らしい。校庭にあるジャングルジムは、ひさしぶりに見ても大きくて嬉しくなった。
帰りに寿司を食べた。今の家の近所には、何もかもちょうどいい「街の寿司屋」という感じの寿司屋がある。カウンターが10席くらいと、4つくらいの座敷席。天井から吊るされたテレビではバラエティ番組がずっと流れていて、カウンターでは客同士がほどほどに盛り上がっている。接客も明るい。でも騒がしいというほどではない。
そして何より、何を食べても目を丸くするほど美味しい。何かを口に運ぶたびにいちいち夫と顔を見合わせて目を丸くしてしまう。瓶ビールとレモンサワーを飲みながら、もう何十回も話している「イカを捌くのは本当に楽しい」という話をした。いや、私がその話を何度もしているのは、夫から「もうそれ何十回も聞いてるよ」と笑いながら言われて気づくのだけど。
ひとり暮らしをしていた頃、仕事終わりに近所のスーパーでイカを買い、黙々と捌き、里芋とイカの煮物や、イカの塩辛などをせっせと仕込んでいた。イカは皮をするりと剥いて、脚をひっぱって分離させ、内臓をきれいに洗う、一つひとつの作業がどれも気持ちいい。そういえば、ふたりで暮らすようになってからイカを捌いていない。ひさしぶりに捌いてみようか。
日記(4月3週目)
4月12日(水)
『水曜日のダウンタウン』の30秒ネタ賞レース「30-1グランプリ」を観た。30秒をどう使うかでいえば、個人的には、そいつどいつと天才ピアニストのネタが好きだった。
もちろん「30秒という制限の中で笑わせること」が重要なわけだけど、そいつどいつは「10秒で鮮度が落ちる寿司」「こだわりが強すぎて話が長い大将」という掛け合わせの顛末が見事でグッときてしまった。寿司を躊躇なく投げるさまがまた、大将のこだわりが強すぎるところが伝わってきて良いし、だからこそ面白い。
天才ピアニストは「偶然道で再会した友達が実は『勝訴』を持って裁判所へ向かう途中だった」という設定がまず良いし、何より天才ピアニスト自体の良さが30秒に詰まり過ぎていた。構成がすごすぎる。長くても短くても天才ピアニストの面白さが変わらずに感じられるからすごい。
『水ダウ』が終わってTwitterを観ていたら、ちょうど『推しの子』のアニメの初回放送が始まると書いてあったので、チャンネルをMXに変えた。原作を『少年ジャンプ+』で第1話から読み続けているので、それ以外の事前情報を入れずに見始めた。
原作では、主要キャラクターの感情が大きく動いたときに描写も大きく変えられている。それが躍動感をもった惹きつける描き込みとアニメーションで表現されていて、あまりの迫力と美しさにテレビの前で声をあげてしまった。原作の本質的な良さがアニメとして描かれていて、嬉しくて震えてしまった。しかし長いなと思ったら、90分もあった。最近のアニメはそんなこともあるのか。
考えてみたら、しっかりアニメを観たのはずいぶんひさしぶりだった。ここ数年は話題のアニメに少し触れるくらい。昔は、まずクール頭に全アニメの録画を始めて、ほぼすべて5話までは観ていた。つまらないなと感じても1話や2話で観るのを止めなかったのは、当時(今の事情を知らないが)のアニメは、5話あたりで急展開や大どんでん返しが起きることが多かったから。
今はお笑いばかりを観ているし、お笑い関連の仕事が多いけど、アニメばかり観ていた頃は、アニメ関連の仕事が多かった。なんだかんだ好きなことが常に仕事になっているというか、それしかできないのだと思う。
アニメをひさしぶりに観たらやっぱり良かったし、またいろいろ観よう。
4月14日(金)
今週は特に忙しかった。今の会社に入って半年経つけれど、慣れる気配がない。みんなも慣れているフリをしているだけなんだろうか。難しいことが多い。
フジテレビで『オールナイトフジコ』が始まった。名前のとおり懐かしの『オールナイトフジ』シリーズ。メインMCは佐久間宣行さんで、その横には、さらば森田さん&オズワルド伊藤さん。そしてフジコーズ(番組内ではフジコちゃんとしか呼ばれてなかったが)と呼ばれる女子大生たち。
全盛期のフジテレビのコンテンツを令和になんとかやろうとしている。私は自分の青春時代のフジテレビを彷彿とさせる懐かしさを感じて、どうしても刺さってしまう部分があるけど、誰をターゲットにしているんだろうか? 本当にこれ、毎週生放送するのか?
ABEMAの勢いやYouTubeの人気コンテンツなどから「結局みんなこういうのが好きでしょう」みたいな狙いをもってやっているのか、今もテレビをメインのエンタメとしているかつての『オールナイトフジ』視聴者層あたりにしっかり刺さることを目的としているのか、少なくとも今の時代にテレビで流すには旧世代的価値観全開でなかなか大変なコンテンツばかりだから、賛否両論の否は多くなるかもしれない。
ただ思うのは、こういう価値観も、もちろん異なる価値観を持った人のそれをおびやかさないことを前提に、アリな世界だといいなとは思う。
4月15日(土)
雨の日はしんどい。決まって、風邪のひき始めみたいになる。軽い筋肉痛みたいに体がこわばる。身も心も重だるくなる。しんどい。
どうにも雨が嫌いなので、最近、少しでも気分を上げるためにレインブーツを新調した。オールスターの810s(エイトテンス)のもの。多用途作業用ゴム長靴をベースとしていて、無骨な感じだけど、いろんな服に合わせやすそうなデザイン。とても私好みで良い。しかし、勿体無い気がしてまだ履けていない。意味がない。
原稿は明日やるとして、買ったのにやってなかった『北斗が如く』をプレイ。名前のとおり『龍が如く』のチームが作った『北斗の拳』のゲーム。出たのは2018年……え、5年前?
先月あたりから時間を見つけては少しずつ進めてきた。私自身『北斗の拳』は未履修だけど、ふんわりとした知識でも問題はない(し、オリジナルキャラや設定が多い)。しかし、どれだけストーリーを進めてもイマイチハマれない。ハマれないまま最終章まできてしまった。
そもそも私は「龍が如くスタジオ」が作るゲームがとにかく好きで、『北斗が如く』にも同じようにハマれると思ったのだけど、やっぱりIPものは大変だよね。
龍が如くシリーズの生みの親・名越稔洋さんはゲームのドラマ性を特に大事にしながら、そのドラマ性がゲーム性とのバランスを損なわない意識も強い人で、それはやっぱり完全オリジナル作品でこそ担保できるというか、しやすいんだろうなと思った。『北斗が如く』はどうしてもやっぱり『北斗の拳』だから、ベースにある原作の世界観に引っ張られてしまう。『北斗の拳』ファンも大切にしなきゃだし、それはそう。
最近出た『龍が如く 維新!極』もそうで、限りなくオリジナルではあるのだけど、ベースに「新撰組」がある物語だからなのか、ハマれない。あと、「極」は『龍が如く』シリーズのリメイク作品のことなのだけど、1と2の極はあんなに目新しさがあったのに、維新は追加要素はあれど目新しさはなかった。そもそも1と2はPS2からのリメイクだから大きく変えやすいけど、維新はそもそも最初からPS4で出ているから、あんまり変えようがないのもわかる。なんで順当に3の極じゃなかったんだろう……3の極をやりたい。
4月16日(日)
今日も強めの雨。しんどい。音からして、たぶん雹もちょっと降ってるな。最悪である。しかし原稿を書かないと。
そう思いながら、コーチェラの配信でBLACKPINKを観た。コーチェラは規模がバカデカくて、パフォーマンスもド派手で迫力満点で、そこに立つアーティストの魅力も爆発的に感じられてすごい。海外のフェスには興味があるけど、行く勇気はなかなか起きない。誰か慣れている人にアテンドしてもらいたい。
原稿を書き始めた。好きな人ふたりの対談構成で楽しい。少し前まで、自分は好奇心旺盛で、だいたいのことに興味を持って楽しめる人間だと思っていたのだけど、そんなこと全然なかった。自分が面白いと思う人と面白いことをやること以外に全然興味がない。興味がないことをやってみたところで、実際、全然期待に応えられない。これは卑下してるとか落ち込んでるとかじゃなくて、前者だけできるようにやっていくぞという気持ちの話。
原稿を書きながら『あののオールナイトニッポン0(ZERO)』を聴く。冒頭から、レギュラー放送初回を振り返って「バカがやるトランプの大喜利の切り方をしてる。後半しんどいと思うぞ、いい手があるからってバンバン切る親戚の子供みたいなプレイング」という発言。今度佐久間(宣行)さんとトークショーやるときのことを考えた結果「僕だけのエンタメになってください」と告られるかもと言い出す。あまりにパワーが強すぎる。なんなんだ、あのちゃん。言葉の強さと話の組み立て方があまりにも最高すぎる。毎週、裏に水ダウがいるのか? いや、これがそもそもあのちゃんなんだろうな。カッケェ……。
0時過ぎに原稿を書き終えたので、録画しておいた『だが、情熱はある。』を観る。『ブラッシュアップライフ』では出番が少ないにもかかわらず視聴者に強い印象を残した加藤役・宮下雄也さんが出ていた。今回は山ちゃんが大学時代を過ごした学生寮の寮長・米原先輩役。これがまた非常に良かった。まだ観ていない人のために少し伏せるが、山ちゃんに対して常に優しく、時に厳しく接する姿があまりに素晴らしく、卒業して寮を出ていく瞬間まで愛と情熱に溢れていて、その姿にグッときて気がついたら私は泣いていた。原作(山里亮太『天才はあきらめた』)での先輩の話がどんなものだったか忘れてしまっていたので、読み直そうと思う。というか第2話、演出も脚本も前回に増してかなり惹きつけられる。完結する頃には涙腺が爆発してしまうかもしれない。
日記(4月2週目)
4月4日(火)
税理士さんと、2022年の確定申告を振り返った。インボイス制度の話が出たので、わかったフリをしておいた。しかしどうやら自分の理解はズレていなかったようで、わかったフリにならなくてよかった。事務作業と数字は苦手だけど、仕組みを理解することはできている。
夜は、ひさしぶりに会う友達と飲んだ。三宿「新記」へ行った。水餃子を頼んだら揚げ餃子がきて、汁なし麺を頼んだら汁麺が来たので、少しだけ悲しくなった。おいしかったけど。そのあと、よく行く芸人バーへ。話の流れで、各事務所と養成所の特長を聞いた。ちなみに私は養成所に通う予定はないし、芸人になる予定もない。
4月7日(金)
有給休暇を取って、髪を切りに行った。フリーランスで働いていたら、仕事の合間に切りに行けるけど、会社員をしていると、土日か、有給休暇を取って切るしかない。でも休みの日はやりたいことがたくさんあるし、なかなか髪を切れない。みんなどうしているのか。会社勤めに慣れていないから、毎日、いちいちそういうことに困ってしまう。
髪を切ったあと、フリーの仕事で少しだけ赤坂へ。「ラヴィット!ミュージアム」がやっているから「ラッピーマーケット」もまだやっているのかと思ったら、そちらは数日前に終了してしまっていた。残念。ハードコアチョコレートのコラボTシャツが欲しかった。
平日の昼間だったので、休日は混み合っているであろうミュージアムにするっと入れた。たくさんの小道具が無造作に置いてあるのに、触れることが禁止されていなかった。どうやって秩序が守られているのだろうか。何か盗まれることはないのだろうか。勝手に不安になってしまった。展示自体は細部までとても作り込まれていて楽しかった。
夜は飲み会へ。しかも、はしごをした。飲み会のはしごは、さすがにコロナ禍が明けた実感がすごい。3件はしごして、3時まで飲んだ。楽しさに身を任せて、何を話したかほとんど覚えていない飲み会だったのでよかった。
「お酒、強いんですか?」と聞かれると「強くないですよ」と答えていたけど、長時間飲み続けても真っ直ぐ帰れるので、もしかすると強いのかもしれない。アルコール度数が強いお酒は飲めないけれど。テキーラは絶対に飲まない。
4月8日(土)
朝から整体へ。座りすぎで、股関節が固まっているらしい。反り腰が常に気になっていたのだけど、股関節が固まっていることからきているようなので、伸ばし方を習った。毎日よく伸ばそう。
夜は「菅付雅信の編集スパルタ塾」10周年パーティへ。私は2014年に通っていた(正確には途中でサボり始めた)2期生。当時は24歳で、すでにフリーランスのライターや編集者をしていたものの、編集とはなんたるかを学べて、自分の中に編集ポリシーが生まれて、それからずっと編集者を続けていられるのは、この塾に通ったおかげだと思う。
パーティには1期から10期まで総勢100人ほどの塾生が一堂に会した。期を跨いだ有志の方々が企画してくれたおかげで、とても良い夜だった。同期の数名とは何度か仕事をしたけど、他の期の人に会ってみるとその中にも過去に仕事をした人がいて驚いた。菅付チルドレンはバイブスが合うらしい。これからもバイブスが合う人とテンポ良く楽しいものを作りたい。
楽しい夜は朝まで続いたようだけど、私は『オールスター後夜祭』を観るために1時ごろ帰宅。多めに千円札を用意して待機していたのだが、夫から「それは違う番組じゃないか?」と言われて、『クイズ☆正解は一年後』の年末ジャンボ企画と混同していたことに気づいた。その千円札は翌日の飲み会で使い切った。
体重が重い順に何人数珠つなぎにできるか(体重計に乗って前の人より重いとアウト)というクイズで、体重予想のためにママタルト大鶴肥満がいろんな芸人を持ち上げていたのがよかった。そのおかげで、深夜に駅の改札でバックハグをしているカップルを見ても、大鶴肥満を思い出してニッコリできるようになった。
4月9日(日)
下北沢「BONUS TRACK」で開催された「日記祭」へ。名前のとおり、いろんな人の日記が並ぶ、即売会である。BONUS TRACKはいつも理想的なハレとケを感じる施設で大好き。
ずいぶん日記を書けなくなってしまったので、試しに人の日記を読みたくなって、足を運んだ。書き出しが好きな日記や、同じコンテンツにたくさん触れていそうな人の日記を買った。少しずつ読んでいる。
ここ数年、私的なことを書こうとすると、「そんなもの、誰が興味を持つんだ」「つまらないものを書くな」と私の中にいるイマジナリーネット民がわらわらと溢れ出してくるので、書けなくなっていた。昔、自分の発言が炎上をして5chにスレが立って、叩きに叩かれたことも少しだけ尾を引いているのだが。
少し前に読んだTaiTanさんのインタビュー(Webメディア『JINS PARK』掲載)で「他者から見たときのイメージと、自分が持ってるアイデンティティがズレてない人がモテてるんじゃないか」という仮説の話をしていて、それは本当にそのとおりだと思った。モテるだろうし、何より生きやすくなるだろうなと。
私は昔から第一印象として、落ち着いている、しっかりしている、怖いなどと言われることが多い。愛想がなくて態度が悪い人見知り(長年努力をしてみたがたぶんあまり変わっていない)なので、そう思われても仕方がないと思う。
しかし、親しくなった人はどうやら、私が大変落ち着きがなく、とんだポンコツで、メンタルが大変不安定である、といったことを理解してくれている様子である。前述のとおり、理解されにくい理由は明白なので、仲良くならないと理解してもらえないのはよくわかる。
別に「大目に見てね」と言いたいわけではなく、TaiTanさんのいう「モテ」を獲得したいのである。そのために私ができることを考えて、いま日記を書いている。
ちなみに日曜も、夕方から終電まで飲み倒した。下北沢「まちなか」で食べた、ホタルイカの麻婆春雨が絶品だった。
2022年お仕事まとめ
2022年は諸事情で動きが非常に鈍くなっていたのですが、思い出深いお仕事たちを抜粋してまとめておきます。ちなみに今年出会ってよかったエンタメは、歌舞伎と、レッツゴーよしまさのモノマネです。
『あの夜を覚えてる』OFFICIAL BOOKを作った
年始早々から走り出したのが、オールナイトニッポン55周年記念公演『あの夜を覚えてる』OFFICIAL BOOK編集のお仕事でした。
【OFFICIAL BOOK 好評発売中】
— 『あの夜を覚えてる』公式@続編制作決定! (@ann55_anoyoru) 2022年3月5日
オールナイトニッポンリスナー必見!盛りだくさんの「公演パンフレット」と、藤尾涼太のANN放送100回分のすべてが詰まった「番組本」の、豪華両A面仕様の60P📖
3/13までの購入で、公演前にお届けします👐
ご購入はこちらhttps://t.co/KWf7sEzaK7#ANN55周年 #あの夜 pic.twitter.com/q2Vc60L9iJ
ゼロから関わらせていただいたので、何を載せるか、どんな誌面構成にするかをノーミーツの方々と考えて、それからは取材や執筆、写真撮影ディレクションなどを担当しました。
やりたいな〜と思っていたらTwitterで募集が出ていたので、応募してご縁があったお仕事でした。やりたい仕事は自分から取りにいくのが大事だね!
『龍が如く』の生みの親にインタビューした
私は『龍が如く』というゲームシリーズが本当に好きで、友達に布教して沼に突き落とすくらいに熱く語れるオタクなくらいには好きです。
ついに2022年、『龍が如く』生みの親・名越稔洋さんにインタビューしました。しかも名越さんが立ち上げた新スタジオ「名越スタジオ」の公式インタビュー。こんなありがたいことがあるのか。
『QJWeb』でいろんな記事を作った
『QJWeb』は立ち上げから関わっているので、なんだかんだで記事を作り始めてもう4年目になります。今年特に思い出深い記事はいくつかあります。
まずは『M-1グランプリ2022』で優勝された錦鯉さんのインタビュー。決勝よりも前に取材させていただいて、優勝後にも追加コメントをいただいて作った記事です。
北海道文化放送(UHB)の局員であり、お笑いコンビ西村としても活動されているふたつぎさんのコラム記事を編集しました。ふたつぎさんの記事はいつも愛と熱量が詰まっていて、読み応えも素晴らしいです。『ZEKKEI NETA CLUB』第2弾放送めでたい!
ラジオ放送を顕彰する「プラネット賞」主宰者の岩井さんとも記事を作りました。奥森さんとラジオのお話ができて非常に楽しかったです。
怪奇!YesどんぐりRPGの連載を担当しています。静止画編、動画編、音声編と予定している募集企画のですが、まだ動画編応募作品の集計中なのでがんばります……。
特に思い出深いのがこの記事。佐久間宣行さん、テニスコート神谷さん、ダウ90000蓮見さんの鼎談記事です。(思惑はいろいろあったものの)気軽に提案したらトントン拍子に進んだうえに、関係者みんながハッピーになった最高の記事です。とても面白い内容なのでまだご覧になっていない方はぜひ!
昨年に引き続き、『M-1グランプリ』準決勝・決勝会見記事の編集を担当していました。主に大量の写真を厳選する仕事だったのですが、おかげさまで多くの方に喜んでいただけたようで嬉しいです。
ほかにも作った記事もいろいろ
『リアルサウンドテック』では年始に佐久間さんのインタビュー企画編集を担当しました。
『KAI-YOU』ではガーリィレコードチャンネル100万人記念インタビューをしました。赤羽ハウスにお邪魔するのは二度目でしたが、だいぶ損傷が進んでいました。
あとはひっそりと『Article.』という媒体でマンガレビュー連載(マンガじゃないのが1本混ざってますが)を持っています。
2023年にむけて
2022年はちょっといろいろありまして、ラジオすら全然聴けず、もちろんライブやイベントも全然行けなかったのですが、その状況からようやく脱出できたので来年はいろんなエンタメに触れられそうです。
『ゴールデンラヴィット!』を観ていたら「やっぱりエンタメは観る側もいいけど作る側が楽しいよな〜!!」という気持ちがさらに強くなったので、来年は記事を作る以外にもエンタメに関われたらいいな。具体的に進められるようにがんばります。
「なんか手伝って〜」という嬉しいお声がけもめちゃくちゃお待ちしています!